ブラジルのデジタル・ビジネス関連の専門メディア「TI INSIDE Online」に、Fanplayrの中南米担当VP Mauricio Maiolaの寄稿記事が掲載されました。
内容をご紹介します。
銀行業務における人工知能の活用
テクノロジーが日常的に役立っているのを見聞きするのは、今に始まったことではありません。例えば銀行は、インターネットやアプリの登場により、大きな変革を遂げました。複数のフィンテックが誕生し、ちょっとした取引や融資を素早く簡単に行うことができるようになりました。しかしこのような技術は常にオプション的なものとして捉えられ、主に若い世代が利用してきました。
2020年に始まったパンデミックにより、世界中で対面での活動ができなくなりました。伴って、銀行システムは再構築しなければならず、すべての顧客は新しい技術に適応しなければならなくなりました。
最近発表されたマッキンゼーの調査「新型コロナウイルスに対応した銀行の顧客体験の再構築」では、新型コロナウイルスが銀行にもたらした多くの課題を取り上げ、多くの銀行が顧客に対するデジタルソリューションの導入に問題を抱えていることを指摘しています。これはなぜでしょうか?
金融サービスは複雑で、人々の生活に欠かせないものです。銀行の明細書の閲覧や請求書の支払いといった銀行業務の一部は、日常的な操作と考えられるため、デジタル化してアプリで実用化することは容易です。
しかし、クレジットカードの選択や銀行ローンの申し込みなど、詳細なやりとりや配慮が必要なものもあります。金融機関のデジタル化は、この点がアマゾンのような販売業務に比べて複雑なのです。
金融と販売の特性は、相反するものがあります。
ひとつに、金融のオンラインサービスの種類です。先に述べたように、金融では銀行の明細書を見る、振り込む、請求書を支払うなど、デジタル化しやすい操作もあります。
一方で、ローンの申し込みなどは慎重に考え、銀行員とのやりとりが必要です。中には、年配の方のように、オンラインに移行することが難しい方もいます。このようなお客様が質問したり、デジタルツールを十分に活用できるような環境が、金融機関にはほとんどないと感じています。
金融機関は、人工知能を利用することで、お客様の行動や検索パターンを発見・学習し、商品やサービスを探す過程から最後まで、お客様のあらゆるニーズや疑問に応えることができるようになるかもしれません。
人工知能の活用は、金融機関が提供する迅速かつ効果的なサービスのナビゲーションを簡単にすることで、顧客ロイヤリティを構築し、顧客を獲得します。 お客様の質問に答え、どの製品やサービスを使うべきかを提案することで、お客様の購入プロセスをガイドし、新規購入者をブランドのファンにすることを目指すことができます。
これは、イングランド銀行に代表される銀行が、顧客のより良いオンライン体験を作るためにとってきた手法です。イングランド銀行は、"高度な分析と人工知能の登場により、顧客の金融体験のあり方や、金融機関の機敏性、効率、適応力を変革することができる "と述べています。
このようなサービスを提供するためのツールの一例として、いわゆるBDH(Behavioral Data Hub・行動データHUB)と呼ばれるものがあります。このツールを通じて、人工知能はサイト訪問者のナビゲーションパターンを識別し、すべての疑問を解決するためのソリューションや代替案を提供し、商品の購入や銀行業務などの体験をよりシンプルで快適なものにできます。
新型コロナウイルスは、ビジネスの世界の大きな節目となり、消費者のオンラインとオフラインの取引への関与に革命を起こしています。モバイル・インタラクションは増加傾向にありますが、視覚的な要素が不足しており、多くの点で、対面式と非対面式の間のギャップを埋めることができません。
人工知能ツールは、インターネットバンキングや販売全般にとって、新しい時代の始まりなのです。
Fanplayr 中南米担当VP、Mauricio Maiola氏
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