Webサイトに来られたお客様は、それぞれ目的やモチベーション、状況が異なります。リアルな店舗であれば、よく来られる方か初めてのお客さまかを店舗スタッフで見分けたり、お客様の様子を観察して、どんな声をかけるかやタイミングを見計らったりしますが、Webサイトではその場に店舗スタッフはいません。
買おうか迷ったが踏ん切りがつかずにサイトから離れてしまった、疑問を解消できずに買うのを諦めた、というユーザーをそのままにしているECサイトは機会損失をしていると言えます。
今回はそのようなユーザー個々に対してWeb上で適切に接客する、「Web接客」について、基本的な知識と成果を出すためのポイントなどについてご紹介します。
<Contents>
Web接客とは
Web接客とは、サイトに訪れる様々なユーザーに対してオンライン上で「接客」することによって売上向上を目指すものです。店舗のスタッフのようにユーザーひとりひとりの疑問に回答したり声をかけたりするイメージがわかりやすいでしょう。
Web接客は、「ポップアップ型」と「チャット型」の2つに大別できます。
ポップアップ型のWeb接客
ポップアップ型のWeb接客は、ユーザーの行動にあわせて、任意のメッセージを表示するものです。モーダルや埋込み型バナーなどの形式で、ユーザーの行動に反応してサイト側から能動的にコミュニケーションするのが特徴です。
チャット型のWeb接客
チャット型のWeb接客は、ユーザーがチャットに質問を入力し、それに対応する形式のものです。サイトの画面右下に「お困りですか?」のようにメッセージが出るものを多く見かけます。
あらかじめユーザーが聞きたい質問の選択肢を用意しておき、質問を選択して自動的に対話が進む「シナリオ型」や、スタッフが待機しており、リアルタイムで質問に対応する「対人チャット」があります。
Web接客が解決する課題
今回はご紹介した2つのWeb接客のうち、前者の「ポップアップ型」について説明します。
ポップアップ型のWeb接客は、行動シナリオを設定しておけば、ユーザーの状況や行動に合わせて自動的に接客できます。例えば、初回訪問のユーザーには初めての方向けのページへのバナーを出したり、ひとつの商品を長く見ているユーザーには購入を後押しするクーポンを出す、などがよく使われている例です。
ユーザーそれぞれの状況や行動に合わせて、表示するもの、誘導する場所などを出し分けることで効果を発揮します。
<Web接客が効果を発揮する場面>
Web接客が解決する代表的な課題は次のとおりです。
1. 訪問あたりのPVが少ない
2. 集客はしているがCVRが低い
3. 直帰率や離脱率が高い
4. 客単価が伸びない
Web接客を成功させるための重要なポイント
Web接客は、とにかくたくさんシナリオを作って、ユーザーごとに手厚く接客すればよいというものではありません。例えば、実店舗で全く興味のない商品を何度も繰り返し勧められてもいい気持ちはしませんね。それどころか、過度な接客を受けることで嫌になってしまい、店から出て二度と来なくなってしまう可能性もあります。
サイトでも同じように、ページを遷移するたびに関心がない提案を受けたり、ユーザビリティを損なうようなバナーの出し方をされてはサイトに対して不信感を抱く可能性があります。
ではどうすればいいのでしょうか?
実際の店舗では、スタッフがはじめてのご来店か常連のお得意様か、またどんな商品を手にとっているか、などを観察します。ある程度関心があるように見えたり、困っているとわかったら、タイミングを見計らって「何かお探しですか?」と声をかけたり手にとった商品を説明したりするなどして接客します。
ECサイトでも、実際の店舗と同様にお客様を観察する必要があります。どこからの流入か、初めてのユーザーかリピーターか、どんな商品を見ているか、カートに商品を入れているか、などを分析しながら、どのようなときにどのような接客が必要かを考えながら設計します。
<Web接客の考え方は実店舗での接客と同じ>
代表的なWeb接客施策の例
代表的なポップアップ表示のWeb接客施策をご説明します。
ユーザーの状態に応じてよくある不安を払拭する
<初回訪問ユーザー向けバナーの例>
例えば、初回訪問ユーザーがよく感じる「どんな商品があるのだろう?」「送料はかかるの?」などの疑問や不安に対し、「おすすめの特集ページ」や「よくある質問」を表示します。
購入を迷っているユーザーを後押しする
<購入を迷っているユーザー向けバナーの例>
特定の商品を何度も見たり長く滞在するなど、購入を迷っているような行動があるユーザーには、クーポンを渡すなどのプロモーションオファーで購入ハードルを下げ、コンバージョン率を改善します。
サイトからの離脱を阻止する
<離脱しそうなユーザー向けバナーの例>
例えば商品をかごに入れたまま離脱しそうなユーザーに「かごに入ってますよ」と注意を促したり、すぐ離脱しようとするユーザーにお勧めコンテンツを出すなどして、離脱率や直帰率を低減します。
商品ページの回遊性を高める
<送料無料まであと少しのユーザー向けバナーの例>
もう少しで送料無料になる場合に、「あと◎◎円で送料無料」などというメッセージとともに求めやすい価格帯の商品を訴求し、いま閲覧している商品からアップセル・クロスセルを促します。
このほかにも、シナリオの工夫次第でいくらでも接客の幅を広げられます。
Web接客で効果を出すために
Web接客をやっているけど効果が上がらない、というご相談をいただくことがあります。 そのような方の多くは、Web接客をやりっぱなしになっていて効果検証と改善サイクルができていません。
例えば、Web接客を設定しすぎると、過度に多すぎたり押し付けになってしまったりすることがあります。また、画面上にポップアップ表示する場合は、今の閲覧状況を阻害するとかえって離脱につながることもあります。
ポップアップのクリック率、コンバージョン率などの指標を確認しながら、実際に効果が出ているかどうか、タイミングや表示方法などを検証し、アップデートしながら接客の質を高めていくことが重要です。
当社のコンバージョン最適化プラットフォーム「Fanplayr」では、Web接客からメールや通知から解析まで様々な機能を一気通貫で提供しています。Web接客をご検討、またはWeb接客の運用にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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